薄毛の治療

薄毛予防サプリメントと医薬品との違いは?

薄毛予防には食事の栄養バランスがとても重要です

健康な毛髪の育成には三大栄養素である「ビタミン」「ミネラル」「たんぱく質」が欠かせません

しかし、毎日栄養バランスを考えて食事をとることは難しいですよね。

そこで、活躍するのが「サプリメント」です。

ドラッグストアや、ネットショップでは、沢山サプリメントを販売していますが、薄毛予防に期待できるサプリメントを見極めるのは難しいです。

そこで今回は、医薬品とサプリメントの違いと、薄毛予防におすすめのサプリメントの選び方を紹介します。

薄毛予防サプリメントの選び方に正解はあるのでしょうか。

要注意!医薬品とサプリメントとの違い

 日本では「サプリメント」と聞くと医薬品と近いイメージを連想する方が多いようですが、サプリメントと医薬品では目的が異なります。薄毛を予防するサプリメント選びには、医薬品とサプリメントの違いを理解する必要がありそうですね。

医薬品の特徴

 医薬品には大きく「医療用医薬品」・「OTC医薬品」・「医療部外品」の3つの種類があります。この3つの医薬品にはどのような違いがあるのでしょうか。

医療用医薬品の特徴

 医療用医薬品は医療機関で医師から処方してもらうお薬です。医療用医薬品は「疾患の治療を目的」としています。頭髪専門クリニックで医師に処方してもらう「プロペシア」や「デュタステリド」などのAGA治療薬も医療用医薬品に分類されます。

OTC医薬品の特徴

 OTC医薬品は「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で、ドラックストアなど、カウンターで購入できる医薬品を指します。風邪薬・水虫薬・下痢止め・目薬などがOTC医薬品の代表例です。OTC医薬品は薬の効能により4つに分類されます。以下にOTC医薬品の種類を示します。

・要指導医薬品 ・第一類医薬品 ・第二類医薬品 ・第三類医薬品

要指導医薬品と第一類医薬品は薬剤師が薬の説明をして、さらに書面で薬の副作用などの説明をする義務があります。第二類医薬品と第三類医薬品は薬剤師又は登録販売者が対応して、薬の販売を行います。また、要指導医薬品はインターネット販売ができません。

医薬部外品の特徴

 医薬部外品は厚生労働省が認めた成分が一定量入っている医薬品のことです。医薬部外品は医薬品と異なり、根本的な治療を行うことは難しいとされています。制汗スプレー・殺虫剤・薬用化粧品などが医薬部外品の代表例です。

 サプリメントは医薬品でも医薬部外品にも含まれていません。サプリメントはどのような位置づけになっているのでしょうか。

サプリメントの位置づけ

 一般的なサプリメントは医薬品ではなく食品に分類されています。医薬品は「医薬品医療機器等法」により定義されていますが、サプリメントは「健康増進法」「食品衛生法」により定義されています。サプリメントはカプセルや錠剤の形状をしているので、病気を治療する効果があると勘違いする方が多いようですが、それは大きな間違いです。サプリメントは「健康食品の仲間」です。健康食品は大きく3つに分類することができます。

・特定保健用食品 ・栄養機能食品 ・機能性表示食品

特定保健用食品

 消費者庁では「食生活において特定の保健の目的で摂取するものに対し、その摂取により当該特定の保険の目的が期待できる旨の表示を行うもの。」と記されています。食事における、健康のサポートをする食品という認識で良いでしょう。特定保健用食品は「血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」「お腹の調子を助ける」「骨の健康に役立つ」などの表記があります。事業者が消費者庁に届け出を出し、国にその保健機能を認められた食品です。

栄養機能食品

 消費者庁では「栄養機能食品とは、特定の栄養成分補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものをいいます。」と記されています。一般的に「サプリメント」と呼ばれている製品の多くは栄養機能食品にあたります。

機能性表示食品

 平成27年から機能性表示食品制度というものが開始されました。消費者庁に、販売する食品の安全性や保健効果などの臨床データを提出すれば、食品に「お腹の調子を整えます」「脂肪を抑える」などの表記をしてよいという制度です。最近は機能性表示食品のサプリメントも多くなってきました。

サプリメントは栄養をサポートする「栄養機能食品」と「機能性表示食品」と理解してよいでしょう。サプリメントは医薬品と異なり治療効果はないことに注意しなければなりません。さて、数あるサプリメントの中から薄毛予防に期待できる製品はどのように選べばよいのでしょうか。

薄毛予防に期待できる成分とサプリメントの選び方

 AGA(男性型脱毛症)やFAGA(びまん性脱毛症)を予防するにはバランスよい食生活が欠かせません。しかし、バランスのよい食生活を送っていても、どうしても不足している栄養素が出てきます。そこで、薄毛予防に期待できる成分とサプリメントの選び方を紹介します。

薄毛予防には欠かせない!不足しがちな栄養素

 健康な毛髪を維持するためには様々な栄養素を摂取する必要があります。以下に食生活で不足しがちな栄養素を示します。

・亜鉛 ・ビタミンB群

亜鉛

 亜鉛は髪の毛の主成分「ケラチン」を生成する際に必要になる成分です。亜鉛の1日の摂取量は成人男子で「10mg」成人女子で「8mg」とされています。亜鉛を豊富に含んでいる食材と100g当たりの含有量を以下に示します

・牡蠣(13.2mg) ・レバー(6.9mg) ・チーズ(7.9mg)

亜鉛は、カフェインと一緒に排出されてしまいます。普段からお茶やコーヒーを飲む人は、亜鉛不足になる可能性が高いです。また、亜鉛は摂取しすぎると銅の吸収を阻害する危険性があるので、1日の摂取量を守るように心がけましょう。

ビタミンB群

 ビタミンB群は代謝を上げる効果があり、タンパク質の吸収をサポートします。頭皮環境を改善するには必要不可欠な栄養素といってよいでしょう。ビタミンB6の推奨摂取量は、成人男性で「1.4mg」成人女子で「1.2mg」です。ビタミンB群を豊富に含んでいる食材と100g当たりの含有量を示します。

ビタミンB1 ・豚ヒレ(1.32mg) ・そば(0.37mg) ・枝豆(0.16mg)

ビタミンB2 ・ウナギ(0.74mg) ・モロヘイヤ(0.42mg)

ビタミンB6 ・カツオ(0.85mg) ・バナナ(0.38mg)

ビタミンB群は野菜・お肉・魚肉・果物など、様々な食材に含まれていますが、水溶性という性質を持っており、尿から排出されてしまいます。ビタミンB群も不足しがちな栄養素の1つです。

薄毛予防のためのサプリメント選びの3大ポイント

 薄毛予防のためのサプリメント選びは難しいですよね。そこで、サプリメント選びのポイントを紹介します。どのような基準で薄毛予防のサプリメントを購入すればよいのでしょうか。以下に薄毛予防のためのサプリメント選びのポイントを示します。

・成分 ・経済性 ・メーカーの安全性(GMP認定)

成分 サプリメントを選ぶ際は、不足しがちな栄養素がきちんと入っているか確認する必要があります。薄毛予防のサプリメントでは以下の成分が入っている製品がおすすめです。

・亜鉛 ・マルチビタミン ・イソフラボン ・ノコギリヤシ ・ケラチンタンパク質

男性と女性とでは薄毛予防のサプリメントの成分が異なりますので注意が必要です。

経済性

 薄毛予防のサプリメントを選ぶ際は経済面も考えなければなりません。優れたサプリメントでも、経済的に続けることができなければ意味がありません。高額な商品が優れたサプリメントだとは限りません。1カ月で平均5,000円前後の商品が一般的です。頭髪専門クリニックで既に薄毛治療を行っている人であれば、無理をして高額な薄毛予防サプリメントに手を出さなくてもよいでしょう。

メーカーの信用度(GMP認定)

 サプリメントを製造しているメーカーの信用度も重要です。薄毛対策のサプリメントは山のように販売されており、その中から信頼できる商品を選ばなくてはなりません。そこで重要な基準となるのが「GMP認定」製品です。GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で「適正製造規範」を意味し、一定の品質を確保している証となります。厚生労働省の「健康食品GMPガイドライン」に適した製造・運営をしているかどうかを、第三者機関が厳しい審査を行います。ガイドラインの基準をクリアした工場に「GMP認定」の証が与えられます。薄毛予防のサプリメントを選ぶ際も、GMP認定工場の製品を選ぶことをおすすめします。

サプリメントは健康対策を意識するように!

 薄毛を意識したサプリメント選びは、逆に栄養バランスを崩す危険性があります。大切なことは「健康的な体を維持」することです。健康的な体を維持できれば頭皮環境も安定して、薄毛予防になるでしょう。薄毛予防のサプリメントを選ぶ際は、自分の健康に何が不足しているか、食生活を見直して考えなくてはなりませんね。

薄毛予防サプリメントは頭髪専門クリニックに相談してから

 薄毛予防サプリメント選びで失敗してしまうと、気づかぬうちに薄毛が進行する危険性があります。薄毛予防サプリメントを使用する前に、頭髪専門クリニックに相談することをおすすめします。頭髪専門クリニックでは血液検査などを行い、患者さんの栄養状態を調べることができます。薄毛予防サプリメントの使用は頭髪専門クリニックの医師の判断のもと、安全に行ったほうがよいでしょう。